雨のアレクサンドル3世橋で感じた衝撃。五感を刺激するパリの夜

雨のアレクサンドル3世橋で感じた衝撃。五感を刺激するパリの夜

パリに来てから、雨の日が好きになりました。

日本にいた頃、現役でバリバリと働いていた時代の私にとって、雨は少し厄介なものでした。 髪はまとまらないし、足元は濡れるし、移動の効率も悪くなる。
「早く止まないかしら」と空を見上げることのほうが多かった気がします。

けれど、この街は違います。
雨こそが、パリという街のドレスアップなのかもしれません。

先日、雨の夜にふと通りかかった「アレクサンドル3世橋」。
そこで私は、言葉にできないほどの衝撃を受けました。

 

濡れるほどに輝く、計算された美しさ

セーヌ川に架かる橋の中で、最も優美だと言われるこの橋。
アールヌーヴォー様式の街灯、黄金に輝くペガサスの彫刻。

雨に濡れた石造りの欄干が、オレンジ色の街灯を反射して、まるで宝石箱の中にいるような幻想的な光景が広がっていました。
遠くには、雨霧にむせぶエッフェル塔がぼんやりと、力強く光を放っています。

その瞬間、私の全身に電流が走ったような感覚がありました。
「綺麗」という言葉だけでは片付けられない。
もっと奥底の、美意識の琴線に触れるような衝撃。

「あぁ、私はここに来たかったんだ」

40年近く美容の仕事に携わり、論理で商品を開発し、
マーケティングをしてきた私が、理屈抜きで「美」にひれ伏した瞬間でした。

 

五感すべてが「整う」感覚

傘を打つ雨音のリズム。 湿り気を帯びた、パリ特有の石と冬の匂い。
頬に触れる冷たい風の感触。
そして、視界いっぱいに広がる光と影のコントラスト。

ただ立っているだけで、閉じかけていた五感が一気に開いていくのがわかります。

私たちは年齢を重ねると、つい経験則で物事を見てしまいがちです。
でも、こうして五感をフルに使ってその場の空気を吸い込むことこそが、
どんな美容液よりも心を潤し、表情を豊かにしてくれるのではないでしょうか。

 

銀座とパリ、響き合う「気配」

ふと、私が長く働いていた街・銀座の夜を思い出しました。
歴史ある建物と、新しい文化が交錯する街。私がパリに惹かれるのは、どこか銀座と似た「気配」があるからかもしれません。

けれど、今の私には「戦うための鎧」はもう必要ありません。
ただ、この雨のパリのように、ありのままの自分をしっとりと輝かせるだけ。

雨のアレクサンドル3世橋は、私に「美しさとは、五感で感じるものだ」ということを、改めて教えてくれました。

明日もまた、この街のどこかで、私の美意識は更新されていくはずです。

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